私はアイドル

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ご、ごめんね。何か悪い事聞いちゃったね! えー、現場からは以上です!ご協力、有難う ございました!」 その場を取り繕おうとする必死な大人達の声が、 私には遠い世界の出来事の様に響いていた。 * 取材班を撒くと、私は家路へと急いだ。あんな事があった後だ、暫く誰とも顔を会せる気には なれない。泣き腫らした顔を見られぬよう先を 急いでいた矢先、前方で数人の若い女性がビラ 配りをしているのが見えた。 そのまま早歩きで過ぎ去るつもりだったが、相手の方から顔を覗き込むようにして人懐こい笑みで声を掛けて来る。
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