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「私達、十八時からそこの商店街でフリーライブをするんです。」
今時珍しく、ライブをする本人が自らチラシを
手配りしている。何より、私達という言葉が引っ
掛かった。見ると、彼女はチェック柄のミニ
ワンピースに身を包み頭には星形の髪飾りを着けている。
「もしかして、アイドルの方ですか?」
「はい!と言っても、まだ駆け出しなんです
けど。」
半ば無意識に問い掛けた私に、彼女は愛想良く
首を縦に振った。
まだアマチュアを抜けたばかりと言っても、彼女の相貌は普通の人間とは一線を画す
オーラを放っている。謙虚な姿勢に好感を持った
私は、チラシを受け取り彼女にライブへ行く約束を取り付けた。
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