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第２話
時は、1969年５月29日の夜７時20分頃だった。
場所は、今治市通町にある大型サイズの家にて…
家は、山尾明みちよ夫婦の家族が暮らしていた。
山尾の家は、実家の家族たちが暮らしている借家のすぐ近くにあった。
この家には、明みちよ夫婦と息子・賢也（21歳・職業不詳）と明のメイゴ・三森理恵（29歳・元保母）のあわせて４人が暮らしていた。
家の広間のテーブルに明みちよ夫婦と理恵と小学４年の私の４人が座っていた。
テーブルの上には、理恵が作った晩ごはんが並んでいた。
この時、しょうたれ（だらしない）の服姿の賢也がものすごく怒った表情で家から出ようとした。
私の養父母と義姉ふたりの帰りが毎日おそくなることが多くなった。
養母は『どんなに帰りが遅くなっても晩ごはんを作ります…』と言うた。
けれど、この日に限って言えばドサイアクだった。
明みちよ夫婦は、養父母と義姉ふたりの帰りがいつも遅いので、私の食事とお風呂の世話をしていた。
養母は、私が山尾の家で食事・入浴することが気に入らないようだ。
もちろん、賢也も私がこの家にいること自体にフマンを抱えていた。
だから、しょっちゅうもめ事が発生した。
そのたびに私は『なんで親せきじゃない家で晩ごはんを食べたりお風呂に入らなきゃいかんのだ…』と思った。
話は戻って…
理恵は、ものすごく怒った表情で家から出ようとした賢也を止めたあと困った声で言うた。
「賢也さん、どこへ行くのよ〜」
「ムシャクシャしているから外へのみに行くのだよ!!」
「だったら、先にごはんを食べてください!!」
「家にいたらイライラするんだよ!!」
「一体なにが気に入らないのですか!?」
「都倉のガキが食卓にいるのが気に入らないのだよ!!」
「悪かったと思っているわよ…」
「ふざけるな!!どけ!!」
思い切りブチ切れた賢也は、理恵を押しのけたあと家から出ていった。
みちよは、ものすごく困った表情で理恵に言うた。
「理恵ちゃん…賢也のことはもういいから早く晩ごはんにしてよ〜…おじさんが８時からテレビがみたいと言うてるのよ…」
「あっ、すみません…」
明は、８時から南海放送テレビで放送されるプロレス中継がみたいのでつらそうな表情を浮かべていた。
理恵は、明が食べるごはんとみそ汁からさきについだ。
その後、理恵はみちよと私が食べるごはんとみそ汁をついだ。
理恵は、やさしい表情で私に言うた。
「きょうは、一徳くんが大好物の肉じゃがよ。」
理恵がみそ汁をついでいた時であった。
私の養父母・都倉雅俊（51歳）宏美（55歳）と義姉・ゆかり（26歳）とよしみ（23歳）の４人がものすごくいらついた表情で家にやって来た。
宏美は、ものすごくいらついた声でみちよを怒鳴りつけた。
「ちょっと!!なんで勝手なことをしたのよ!?」
「ひろみさん〜」
「うちは、帰りが遅くなっても家で晩ごはんを食べると決まっているのよ!!」
私が食べるみそ汁をついでいた理恵が泣きそうな声で言うた。
「それじゃあ、どうしたらいいのですか!?」
「うちは帰りが夜遅くになってもいいから家で家族そろって晩ごはんが食べたいのよ!!」
「だったらうちで食べたらどうですか!?」
「やかましい!!」
思い切りブチ切れた宏美は、みそ汁が入っているアルミ鍋をひっくり返した。
「ワーンワーンワーンワーンワーンワーン!!」
小４の私は、よりし烈な声をあげて泣き出した。
その後、宏美は私の右手をゴーインに引っ張り出した。
「帰るわよ!!」
「ワーンワーンワーンワーンワーン!!」
「晩ごはんぐらい作ってあげるわよ!!」
宏美は、私の右手をゴーインにひっぱって家から出した。
雅俊とゆかりとよしみは、なにも言わずに家から出た。
時は、夜10時50分頃であった。
ところ変わって、一家５人が暮らしている借家にて…
家の広間には、雅俊と宏美がいた。
テーブルの上には、サントリーオールドのボトルとブルボン羽衣あられとスルメイカが置かれていた。
雅俊は、ものすごく怒り狂った表情を浮かべていた。
宏美は、ものすごくつらい表情を浮かべていた。
この日も、宏美は家で晩ごはんを作ることができなかった。
理由は『作る気がない…』である。
この時、ゆかりとよしみと私は各部屋にいた。
広間にいる雅俊と宏美は、危険な状態におちいった。
この日、よしみが職場の取引している会社に勤務している妻子持ちの男性とフリンしていたことが明らかになった。
その上に、ゆかりのお見合い連敗数が1000に到達した。
雅俊と宏美は、ゆかりの結婚はあきらめた上でよしみの問題をどうにかしたいと思ってヤッキになった。
ストレートでウイスキーをのんでいた雅俊は、ぐでんぐでんに酔っ払っていた。
宏美は、ものすごく怒った声で雅俊に言うた。
「あんたどうするのよ!?」
「どうするって…」
「ゆかりのお見合いの連敗数が1000になったのよ!!」
「だからどうしろと言うのだ!?」
「ゆかりにふさわしい相手を探してよ!!」
「分かってるよ!!」
「分かっているのだったら頼んでよ!!」
「だからどこへ頼めばいいのだよ!?」
「うちは時間がないのよ!!」
「おい、そんなに急かすな!!」
「あなた!!」
「なんやオドレ!!」
「ゆかりが20代のうちに結婚できるようにしてよ!!」
「できるようにしろと言われてもムリだよ!!オドレが一流大学卒業で一流企業に勤務で安定した収入があるとアイマイな設定したことが原因でお見合いが成立しないのだよ!!」
「それじゃあどうすればいいのよ!?」
「だからハードルを少し下げろと言うてるだろ!!」
「なんでハードルを下げないといかんのよ!!ゆかりの結婚相手は一流大学卒業じゃないとダメなのよ!!」
「オドレが言うてる一流大学とはどこか言え!!それじゃあ、愛媛大学はいかんのか!?…松山大学はいかんのか!?…おい!!大学の名前も言えないのか!!四国の大学は一流じゃないのか!?」
「そんなことは言うてないわよ!!」
「ふざけるな!!」
「うちはあせっているのよ!!」
「急かすなと言うているだろが!!」
思い切りブチ切れた雅俊は、サントリーオールドのボトルを手にしたあとストレートで一気にのみほした。
そして…
（ガシャーン!!）
雅俊は、サントリーオールドのボトルをテーブルにたたきつけて割った。
その後、雅俊は冷蔵庫に入っているサントリー缶ビールの500ミリリットル缶を取り出したあと戸棚に置かれているジムビーム（ウイスキー）のボトルを取り出した。
その後、雅俊はジムビームとサントリー缶ビールのフタをあけたあと大きめのタンブラーに注いだ。
ものすごく怒った表情を浮かべている宏美は、雅俊を止めながら言うた。
「あなたやめて!!」
「止めるな!!」
「そんなのみかたをしたら身体をこわすわよ!!」
「のまずにいられないのだよ!!」
「あなた冷静になってよ!!」
「どけオラ!!」
思い切りブチ切れた雅俊は、宏美をはねのけた。
宏美は、床の上に倒れた。
雅俊は、ジムビームとサントリー缶ビールをミックスした酒を一気にのみほしたあと怒った表情で言うた。
「もういい…ゆかりの結婚はあきらめた!!」
「あなた…なんてことを言うのよ!?」
「ゆかりはお見合いをしても断られるだけだ!!」
「あなた!!」
「そんなことよりも、よしみを始末しろ!!よしみが妻子持ちの男とフリンした問題を早く解決させろ!!」
「あなた!!」
「ふざけるな!!」
「イヤ!!」
雅俊は、宏美を両手でついて倒した。
ところ変わって、私がいる部屋にて…
雅俊の怒号と宏美の泣き叫ぶ声が部屋に響いた。
「やめてあなた!!いたい!!」
（パチーン!!パチーン!!パチーン!!）
雅俊が平手打ちで宏美の顔を叩く音が響いた。
（ビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリ!!）
「イヤ!!イヤ!!イヤ!!イヤ!!イヤ!!イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
つづいて、布が思い切り破れる音と宏美のし烈な叫び声が響いた。
雅俊が宏美をレイプした…
宏美の泣き叫ぶ声と雅俊のなさけない声を聞いた私は、部屋の片すみにうずくまった。
それから数時間後であった。
私は、トイレに行くために部屋から出た。
その途中で、おぞましい光景を目の当たりにした。
床の上に宏美が倒れていた。
顔がブクブクに腫れていた…
着ていた衣服がズタズタに切り裂かれた…
ブラジャーがちぎられた…
ストッキングごとショーツを脱がされた…
宏美の表情は、目ん玉ひんむいた状態であった。
宏美は、ゆかりに結婚できないこととよしみがフリンしている原因は自分にあると言うたのでハンゲキすることができなかったようだ。
この家の家族は異常だ…
私は、来た家を間違えたようだ…
私は、冷めた表情で宏美を見つめたあとトイレに行った。
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