348人が本棚に入れています
本棚に追加
いくら
恋愛初心者とはいえ
私だって
お泊まりの先に
何があるかくらいは想像がつく。
「……あの」
「はい?」
「……笑わないで、聞いてほしいことがあるんですけど……」
「笑いませんよ」
「実は私こうやって男の人と付き合ったことが一度もなくて……どうしたらいいか、わからないです」
「成美」
優しく
名前を呼ばれて
手を広げ目で合図をした綾瀬さん。
その
合図を理解した私は
広げられた
腕の中へと自ら入っていけば
優しく包み込むように私を抱きしめてくれる。
ふわりと
香る綾瀬さんの香りが
鼻腔に届いて
私へと安心感を与えてくれた。
「怖いですか?」
「……怖くないです。むしろ、もっと、ギュッとしてほしいくらいです」
私の言葉に
小さく笑みをこぼしながら
抱きしめる腕にギュッと力を入れてくれた。
.
最初のコメントを投稿しよう!