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いくら 恋愛初心者とはいえ 私だって お泊まりの先に 何があるかくらいは想像がつく。 「……あの」 「はい?」 「……笑わないで、聞いてほしいことがあるんですけど……」 「笑いませんよ」 「実は私こうやって男の人と付き合ったことが一度もなくて……どうしたらいいか、わからないです」 「成美」 優しく 名前を呼ばれて 手を広げ目で合図をした綾瀬さん。 その 合図を理解した私は 広げられた 腕の中へと自ら入っていけば 優しく包み込むように私を抱きしめてくれる。 ふわりと 香る綾瀬さんの香りが 鼻腔に届いて 私へと安心感を与えてくれた。 「怖いですか?」 「……怖くないです。むしろ、もっと、ギュッとしてほしいくらいです」 私の言葉に 小さく笑みをこぼしながら 抱きしめる腕にギュッと力を入れてくれた。 .
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