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* 「すみませんでした」 「え?」 「成美になんの説明もなく、実家に連れて行ってしまって……」 「そ、そんな、謝らないでください!!少し、驚きましたけど……」 車内に入るなり 私へと頭を下げた綾瀬さん。 たしかに 色々驚いたし 聞きたいこともあるけれど 最後に お父さんが聞いた言葉に 綾瀬さんが答えてくれたあの言葉…… 遊びでも その場しのぎでもなく 本気で私との将来のことを 考えてくれていることが嬉しくてたまらなかった。 「あまり気持ちの良い話ではないですが、俺の話を聞いてくれますか?」 「……聞きます。どんな話でも、聞きたいです。私、綾瀬さんのことが知りたいです」 たとえどんなに 辛く、悲しい話だとしても ちゃんと最後まで聞いて 私が知らない綾瀬さんのことを知りたい…… .
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