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「オレオール、あんた召喚聖術が使えるんじゃなかったのか?」
「素人だな。これだから聖術を使えない男は…。」
「おーい、ぶん殴られたいのか~?」
「あれを使うと数日体内のマナが枯渇した状態になるし、事前の儀式に一年の時と準備を要する。
はっきり言って、二度も使えるような聖術ではないのだ。」
「なんだ、聖術も大したことないな。」
「貴様~?」
「俺は事実を言っただけです~。」
「はいはい、落ち着いて二人とも。
それより、任務を優先して。
オレオールもついてきたからには、邪魔になるような事はしないでね。」
「当然だっ、そなたに言われたら余計にしないぞ…っ!」
なぜか赤面しながら言うオレオール。
「ところでラドゥガ村には神秘の森って言われてる森があるが、そこまで惹かれるもんなのかね。光の民、エルフとやらに。」
そう、ラドゥガ村の近くにある神秘の森。
むしろ世間的には村よりも、こちらの方が有名ですらある。
伝承の存在とされた光の民、エルフが住む森として。
「大真面目に聞くけど、エルフって実在してるの…?」
ミーレス的に物凄く気になるところであった。
「僕は本でしか存在を聞いたことがないな。
長命であり美しく、精霊にも等しい存在だと、本には書かれていた。」
「人間にも魔族にも干渉しないし、魔王を倒せる可能性の力を持つにも関わらず、昔からとにかく無干渉で何もしねぇと言われてるな。はっきり言って、俺は好かねぇな。」
ここまで好きじゃないと言うフェンダルは珍しかった。
ラドゥガ村はマーク村ほどではないにせよ、ヌール王国から離れた地にある。
馬車を持ってしても一週間はかかる。
これが徒歩であったらそれ以上、下手したら倍はかかる。
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