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これはラドゥガ村までの道中のある夜の事。
その日、交代でフェンダルは見張りをしていた。
ミーレスとオレオールは寝静まった頃か。
そろそろミーレスと交代の時間だが、起きてこなければそのまま寝かせてやるか。とフェンダルは考える。
パチパチと響く焚き火の音。
そんな最中、フェンダルは暗闇を睨み、目を細めていた。
聞こえてきたのは複数の足音。
野盗だった。足音の数を考えるに四人。
フェンダルは腰の短剣を手に取る。
「お!いたいた!また見つけたぞ~!」
そう言った男が持つサーベルは血がついていた。
「やっぱ、この辺に張り込んでて正解だったな!さっきの奴等は大して金品を持ってなかったが、こいつらはどうだか…。」
「見ろ!あそこにいる男、上物で高く売れそ」
男が言いかけた時には、フェンダルが投げた短剣が首に刺さっていた。
男が倒れる。
「上物だって?俺は曰く付きだぜ?」
フェンダルがヘラヘラと笑う。
「テメェ、よくも!ぶっ殺してやる!!」
「やれるもんなら、どーぞ?
でもあんたら、俺の前に人を殺してるんだよな? 血の匂いがしやがるし。
だったら自分も殺られる覚悟があって、野盗をやってるんだろ?」
「ゴチャゴチャ抜かしやがって!ただじゃおかねぇ!」
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