もう謎じゃない

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するするすると、マジシャンのように僕の服をあっという間に脱がした吟哉さんが、あらわになった乳首に吸い付き、舌で転がしながら、自分も器用に服を脱ぎ全裸になった。 それだけだって僕の心臓は飛び出しそうなほどに荒ぶっているのに、乳首をいじられ、チラリと目に入った吟哉さんの驚くほどの巨根に驚き、それに興奮している僕。 男なのに…… 男性器に興奮するなんてと思いながらも、そんな自分にさらに気持ちが昂っていく。 今度は素手で直に僕のペニスを握る吟哉さん。 「あ、だめ…… 」 思わず声が出た。 汚いっ、だめだよ。 「汚い…… から…… 」 身体をよじらせながら、やめて欲しくて吟哉さんの手を掴もうとしても肘でうまく躱されてしまう。 「汚くなんかない、渚冬のだ。全部愛おしい」 握って上下に動かし、先っぽを親指でクリクリと撫で回すから、僕の身体が何度もビクッビクッと反応して恥ずかしい。 僕から滲み出ている先走りの汁が、吟哉さんの指先をたっぷりと湿らし、滑らかな動きにもう極限状態の僕。 「ぃや…… ぎ、んやさん…… もう、僕…… 」 「ああ、渚冬…… 渚冬」 僕のペニスを上下に動かしながらキスを続ける。 達しそうになってしまって、唇を塞いでいる吟哉さんからもがいて顔を離すとキスが中断した。 「渚冬、キス…… 」 それでも僕のモノを扱き続ける吟哉さん。 キスをしたいのか、吟哉さん唇が僕の唇を追いかけるけれど、僕はイキそうになるのを堪えるのに必死。 「も、もうぅっ…… もぉ…… あああっっ!」 どぴゅどぴゅっと白濁の液を撒き散らしてしまう。 誰かにイかせてもらうなんてもちろん初めてで、あまりの気持ちよさに恥ずかしさも我も忘れてぼーっとなる。 ベッドの上で脱力し朦朧となりながら、また口づけてくる吟哉さんの舌を受け入れた。 吟哉さんが美味しいものを食べるように、僕の口の中を舐め回す。 キスには満足したのか、唇を離すと身体を起こし、いつどこから出したのか小さなボトルを手にすると、トロリとした液体を手にいっぱい垂らしている。 「少し我慢してな」 優しい吟哉さんの声に、こくりと頷いた。 「ひゃっ」 一瞬冷たくて、そんな声が出てしまうと、 「ごめん、大丈夫か? 」 さっきまでの、虎のような吟哉さんとは全く違い、家での優しい吟哉さんが顔を出す。 「だ、大丈夫です」 「温めてからすればよかった、ごめんな」 「いえ、大丈夫です」 普段の会話みたいになって、恥ずかしさが蘇る。 さっきみたいに勢いでやってしまって欲しい。 その間だって吟哉さんのは、ギンギンガチガチにそびえ立っているのだから。 よく我慢できてるな、そんなことも思った。 ゆっくりとくるくる、優しく押しながら僕の後孔を撫でている。ローションで滑りがよくなっているからか、こそばゆい感じもするけれど、なんだか気持ちがいい。 吟哉さんの指が少し侵入してきて、ほんの少し動く。まるで指がそこの場所を気に入っているかのように居座ったまま。そして出たり入ったりしているのか、グチュグチュとローションの音が大きくなった。 指が完全に入ったのか、今度は円を描くように僕の中で動き始めた。 「あ、あ…… 」 「もう少し中がほぐれたら、指、もう一本入れるから」 「…… はい」 こんな会話、またいつもの日常みたいだ。恥ずかしくて顔が熱くなる。 でも、いつもの優しい吟哉さんに、僕を大事にしてくれている吟哉さんに、想いがどんどんと募っていくばかりの僕。 男性同士のセックスなんて、考えたことも想像したこともなかったけれど、今僕は、間違いなく吟哉さんを待っているんだ。 吟哉さんが僕の中に這入ってくるのを、落ち着かない胸で待っている。 「…… そろそろ、いいか」 吟哉さんのひとり言のような声に、ソワソワドキドキとしてしまう。 というか、あんなに大きなものがあそこに入るのだろうかと疑いしかない。 おしり、切れちゃうんじゃないかな? そうも思ったけど、でも、それでもいいと思った。吟哉さんとひとつになりたい。 「んん…… 」 「あっ…… あぁぁ」 吟哉さんが少ししかめっ面をしている、だめなのかな? 僕のでは。 そんな不安が過ったけれど、少し荒めの息を吐いている吟哉さんが、少しずつ這入ってきているのが分かった。 ぬち、ぬち、グチュッとした音とともに、圧迫されて少し苦しくなっている下腹部。 「んっ」 思わず声が漏れてしまった。 「大丈夫か? 」 紅潮した頬でこくりと頷いた。 吟哉さんが僕の中に這入ってきている。 「動かすよ」 這入ったんだ、今度はぎゅっと唇を噛んで頷いた。 最初はゆっくりと、吟哉さんの腰が動く。 「あ………… ああぁぁっ、ああん、ん、ん…… 」 なに? これ。 すごく、すごく気持ちが…… いい。 吟哉さんの腰の動きがいやらしくて、僕のペニスがヒクヒクと動く。 「あ、すご、渚冬…… 」 「んんん、ああぁっ、ぎ、吟哉さんっ」 腰の律動に合わせて、たっぷりと塗られたローションがグチュッグチュッグチュッと音を立てる。 「あ、ああっ気持ち…… いぃ…… いぃ、ああ…… 」 大きく開かれた太腿の間に吟哉さんの見事な腸腰筋が目に入り、またイってしまいそうになる。 身体を揺すられながら、漏れる声が恥ずかしい。 「んっ、んっ、んっ、んっ…… 」 アダルト動画で見た女性みたいな声が出てしまう。 思わず口を手で押さえて、声が漏れないようにすると吟哉さんがその手を退かす。 「声、聞かせて」 「あ、んっ、んん…… あぁぁっんんっ」 恥ずかしさに頬が一層赤くなり、目がとろんとなる。 「あ、ああぁぁぁ…… あんっ、あんっ、あんっっああっっ!」 ペニスを触られてもいないのに、またイってしまってしまった。 「俺、も…… 」 動きが強く速くなった吟哉さんが、そのうちにパタリと僕の上に覆い被さる。 ゴム越しでも分かる生温かい吟哉さんから放たれた液、とても幸せに思った。 はぁ、はぁ、はぁ、と息を乱している吟哉さんを見るのは初めてで、そんなことにさえ胸がときめいた。 「吟哉さん…… 」 「はぁ…… はぁ…… ん? 」 肩で大きく息をしながら、顔を持ち上げて上から僕を見つめる。 「好きです」 そう告げた僕に、僕たちはもう繋がって互いの想いは分かっているのに、真っ赤な顔をして吟哉さんがはにかんだ笑顔を見せるから、 (もう、大好きですっ) って、心から思った。
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