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「まさか、フラれちゃったとか~」
今度は両手をポケットに突っ込んで、まっすぐカメラの方に向くように鴫野が指示しようとしたところ、レンズを回していないにもかかわらず、ファインダーの中の拓弥がどんどん大きくなった。
鴫野は慌ててカメラのファインダーから目を離した。目の前に拓弥がいた。
拓弥は右拳を握りしめて顔の横の位置まで持ってきていた。体は左が前に出るような体勢であった。そしてその拳は明らかに鴫野の顔面を狙っていた。
(続く)
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