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「あんな乱暴なセックスじゃ、誰だって気づくわよ」
拓弥は黙ってテレビ台の隣のプラスチック製のチェストの上から二段目から黒のボクサーブリーフを取り出し、両足を通してから上げて自らの股間のそれを収めた。
「別れ話で切り出されたの？」
実奈美はベッドに横になったまま、着替える拓弥の背中に向けて言った。
拓弥はそう言われて一瞬シャツを着る動きを止めたものの、すぐに着替えを再開し、靴下を履き、ズボンに両足を通すと、「うるせえよ」と一言だけ残し、部屋を出た。
（続く）
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