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ナポレオン
『このナポレオンの辞書に不可能と解けない謎はないんだ！』
美少年はモニターの向こうでポーズを決めた。
まるでアニメから飛び出して来たような美少年だ。ポーズも様になっていた。
「ぬうゥ」
鰐口警部補も敗北を認めざるを得ない。
こうして犯人消失事件はあっという間に片づいた。
まさかカラスが真犯人だったなんて鰐口警部補も夢にも思わなかっただろう。
のちに事件解決の立役者として石動リオがワイドショーに出演し話題になった。
ナポレオンは謎の事件さえ解決すれば、あとは興味がないようだ。
容疑者にされた城ダンは頭を掻いて、ナポレオンに礼を言った。
「いやァ、ありがとうよ。だけどいきなり『カァラァス♪』なんて童謡を歌い出した時はどうなるかと思ったぜ」
城ダンもホッとしたみたいだ。
下手をすれば逮捕され留置場送りだったのだ。
『フフゥン、別に礼には及ばないさ』
美少年のナポレオンはあっさりしていた。
『さァノア。次のミステリーツアーはどこへ行く？』
ナポレオンはボクを誘った。
「えェ、次？」
もう次の事か。
彼と一緒に行動すればボクの穏やか日常生活は脅かされるだろう。
けれども、これだけは確かだ。
ナポレオンと魅惑のミステリーツアーへ出かければ退屈することだけはないと言うことだ。
おしまい
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