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カラスなぜ鳴くの
『カァラァス、なぜ鳴くの♪
カラスの勝手でしょ♪』
突然、ナポレオンはリモート画面の向こうでワケのわからない童謡を歌い始めた。
「なッ、何を歌ってるんだ?」大丈夫なのか。
ボクには意味不明だ。
鰐口警部補もあ然としていた。
おそらくナポレオンが歌ったのは、童謡の『七つの子』の替え唄だ。
ネタ元はドリフターズの志村ケンだろう。
最近、ネットで子供をたちを中心に流行っているらしい。
しかしこの事件にまったく関係ないのではないか。
「おいおい、なんだよ。今度は合唱コンクールの発表会か。邪魔するなら帰ってくれ!」
鰐口警部補は嘲るように苦笑した。
「……」
さすがに石動リオも眉をひそめたままだ。
表情がこわばって硬い。
「チィッ、ガキを信じたオレがバカだったようだな」
容疑者の城ダンも呆れてそっぽを向き舌打ちをした。
「おいおい大丈夫なのか。暑くなりすぎて、どっかの配線でも緩んだんじゃねえェのか」
鰐口警部補も失笑し言いたい放題だ。
「ううゥン、カラスの勝手かァ」
ボクは繰り返し呟き、チラッと現場上空を見上げた。
『カァカァッ』とちょうどカラスがビルの上空を飛んでいた。青空を舞うようだ。
「あッ!」まさか。
ナポレオンはこの事を言ったのだろうか。
「フフッ、なるほどね」
美人刑事、石動リオもようやく何かに気づいたみたいだ。
「鰐口さん。わかったわ。事件の真相が」
石動リオは自信満々に微笑んだ。
「なにィ、真相?」
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