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彼に対する世間一般の評判は、『神庭はダンスも歌も頭一つ抜けてる』『甘いフェイスにやられちゃう』『前世も絶対アイドルだよ』等々である。インターネット上の評価はおおむね良いものだ。だが〝前世〟というワードに思わず鼻で笑ってしまった。
(何が前世だ)
そんなものが本当にあるわけない。
もしも前世があるならば、自分はどれだけの罪を犯したのだろうか。
乾いた笑いは、神庭への軽蔑というよりかは、自虐的な要素が強い。
好きになる相手はノンケの同性ばかり、好きな人と結ばれたことはなく、信じた人には裏切られてばかりだった。相手を頼るなんて甘い言葉は、まやかしだと思っている。
だから、渚はこの目で見たもの以外は信じない。最後に信じられるのは自分だけ。
評判もどこまで本当なんだか、とひとりごちた。
神庭は見知らぬ同性にキツく当たるやつなのか、それとも単純に渚のことがムカついたのか。アイドルなのに人のえり好みをするとは大層なことだ。
なぜだか渚の方もムカムカしてきて、神庭の本性を暴いてやりたい気持ちになった。
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