1人が本棚に入れています
本棚に追加
日常の中で‥‥
(‥‥‥アッ、どうしよ!‥‥‥目と目が合っちゃったかも。。。)
その青年が弾き語っている最中、ずっとそんな彼の姿を見つめてた、その頃のワタシ。
ところが、不意に互いの眼が合ってしまったかの様に感じたワタシ。唐突に、彼は、演奏の手を止めて、ほんのりとした笑みを含めた眼差しをワタシに向けて来た。
「‥‥‥エッ、あっ、そのッ!」
突然の出来事にドギマギしてしまっていたワタシは、思わず、その場所からそそくさと去ってしまってぇ‥‥‥。
無目的な日常の中でしか生きていけない、その頃のワタシにとっては、その彼の姿を見られた事こそが、ひとつのドラマだったのかも知れない。‥‥‥なのに、どうして、その頃のワタシってば、逃げるかの様に彼の下を去ってしまったんだろう!?
その次の日、ワタシは、昨夜と同じ路地裏を通って見たのだけれど、その彼の姿は見られなかった。‥‥‥あの時、何かしら彼に声でも掛けてれば良かったナ。
何だか辛かったナ、‥‥‥その頃のワタシ。
最初のコメントを投稿しよう!