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「だ だってそうだろ、男ってのはナイーブなんだ。お前ファン多いんだから変に刺激して嘘でしたーってなったらストーカーになる奴だっているかもしれねぇだろ」
チャンスと思いたかった。それに縋りたかった。
「ははぁん? 」
「ちげぇって」
「ふーん」
「殴っぞ」
むきになるシュンに私は長年演じるキッコの表情を作った。
「あんただからに決まってるでしょ。即見破るってわかってたからさ。けど赤面位して欲しかったなぁ」
「するか! 」
ここはけらけら笑う所だろう、だからそうした。
「結構気合い入れたんだけどな。だからさ、続けない?嘘」
脈ありと見た時の計画を私は実行した。
男の子は恋愛に興味を持つのが遅い、けど性に対しては女の子より遥かに早い。
私はこれを利用する。性への興味を恋愛にすり替える作戦だ。
だから興奮を煽る赤い服を着た。腰を絞って体のラインを強調した。2cm程上げたスカートの裾も彼の目にはかなり短く映っている筈だ。
見慣れた腐れ縁の私でもこれだけアピールすれば少し位性的に見てくれるだろう。そのドキドキを恋心と錯覚してくれればと、私はそう言う狡い手に出たのだ。
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