エピローグ

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エピローグ

「4月1日〜3日は忙しいから出社しないでくれ、って会社。殆どないと思いますー」  皆、過労が祟ったので電話番の皐月さんだけを残して二日ほど休みを取った。  今日は4月4日。弊社の新しい風を僕はフロア下まで迎えに行っていた。デザイン会社らしく弊社も服装は自由のため、彼女は北欧マリメッコ柄の赤花ワンピースを着こなしている。高めの黒のヒールを踏み鳴らしながら歩く様は、どことなく白峯さんと同じ雰囲気を感じさせた。 「サイトも見ました! 朝のニュースやまとめサイトでも取り上げられてましたよね! “フィクションという嘘。エイプリルフール、小説で皆を勇気付けたい”って」  この企画は思ったよりも反響があって、すたぶりえ運営は年度はじめから取材でてんてこ舞いだったらしい。  五分ごとに更新されるというシステムが「ひょっとして自分も選ばれるかもしれない」と期待させ、アクセス数も時間を追うごとに増えたのだ。特に桜が満開になる最後の五分は月曜にも関わらず多くの人が見守ってくれたという。
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