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夫が転勤でZ地方に引っ越すことになり、子供もいなかった為、ついていくことにした。
というのも、単身赴任は夫の浮気率が上がることを知っていたからだ。
以前働いていたスーパーの店長やチーフはみな転勤族で、3、4年に一度は顔ぶれが変わっていた。
スーパーの一角にある薬局に勤めていた浜田麻里似の既婚女性(子供有り)は、新しい店長が来る度に不倫していた。
従業員同士の仲を深める為の飲み会も、ボーリング大会の時も、「私は店長の女」感を出して店長の肩にもたれ掛かっていた。
どこぞの有名企業の社長との不倫ならまだ分からなくはないものの、地方のスーパーの店長の不倫相手という、ステータスと呼べるのかどうか分からないものを手に入れて満足している女がいるのも事実なのだ。
私は不倫は許せない。
夫のことを疑っている訳ではないが、完全に信じている訳でもない。
男というものは、箍が外れると浮気をしてしまう生き物なのだ。
学生時代似付き合った彼氏だってそうだった。
私と付き合っていたが、チャラい友逹に彼女が2人いることが羨ましくなったらしく、2人目の彼女を作ろうとしやがった。
何故か彼氏が、私と共通の女友達にその事を話したので、すぐに私の耳に入ってきたが。
社会人になってから付き合った彼氏にもセフレがいて、「君と付き合うから関係を終わらせたいってセフレに伝えたら『じゃあ今の本命の彼氏と別れてあなたの彼女になってあげる』って言われたから別れてほしい」とかふざけたことをぬかされた(なめとんのか)。
男運が良くない、というか私自身に見る目がないのかもしれない。
前置きが長くなったが、万が一の場合の抑止力となるべく、共にZ地方で暮らすことになった。
数年間暮らすだけなので特にこだわりはなかったが、駅から近いわりに家賃が安いのは助かった。
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