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いつもどうりに慣れた階段をゆっくりと歩いていくと、ふいに、ふわりと柔らかい風が吹き髪を靡かせる。
あの男が現れなくなって、学校はちょっとした騒動になっていた。
まあ、用事があって急遽休みになっているらしいけど。
どんな手を使ったのだろうか。
代わりに別の人物を、あの男自らさせたみたい。
―――――ただし、女性なのよね。
あの世界の人間だと、すぐにわかったもの。
女性を呼ぶだなんて、私に対して嫌味なのかな。
本当に何を考えているのか。
だから、私もあてつけに髪を結ばない事にする。
腰まであるストレートロングだ。
いつもと違う髪型に、私も噂になっている。
このやり方は子供っぽいかもしれないけど。
仕方がないじゃない!!!
それに、大好きなハナお祖母ちゃんが好きだったもの。
おろした方が綺麗だって言っていた。
でも、思うの。
ハナお祖母ちゃんは私じゃなく、お祖父ちゃんを見て言ったかもしれない。
瓜ふたつと言われるぐらい似ていた私とお祖父ちゃんを。
会った事は無いけど、お祖父ちゃん髪が長かったのかな。
男性でも長い人はいるものね。
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