52話 出来る彼氏

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52話 出来る彼氏

 胸を噛まれて、体がビクンと跳ねてしまう。エロいことをしている時の彼は、たまに狼のような瞳をすることがある。  それが少し怖い時もあるけど、それ以上に嬉しくなってしまう。気がつくと胸から口を離していて、ズボン越しに僕の下半身を触っていた。  もどかしい……そんな弱い刺激じゃ足りないよ。そう思っていると、器用にズボンのベルトを外していた。 「腰上げて」 「んっ……」  言われた通りに腰を少し上げると、一気にズボンを下ろされた。下着越しでも分かるぐらいに、膨らんでいて少し恥ずかしい。  そんな気持ちに気がついているのか、彼は僕を見て優しく微笑んで舐め始めた。体がビクンと跳ねて、刺激が強くなってくる。  甘い匂いも強くなってきて、彼も興奮しているようだった。下着も下ろされて、左足を持ち上げられた。  太ももにキスをされて、少し痛みが走った。そして今度は、僕のを舐めながらそのまま右手で扱いていた。  僕はいつの間にか服が口から離れていて、声がどうしても押さえきれずにいた。彼は一連の動作をやめて、僕に言ってきた。 「両足持ってて」 「んっ……あっ」  言われた通りに、両足を持ち上げた。すると今度は僕のを、何の躊躇いもなく口に含んだ。  優しく丁寧に舐めていて、気持ちよかった。手を服の中に入れてきて、両胸を優しく摘んだりこねたりしていた。  色んな刺激が来ていて、僕は軽くイッてしまった。彼は不敵な笑みを浮かべて、ゴクリと飲んでいた。 「さてと、確かここに……よしっ、しっかり掴まってて」 「んっ……なにを」  彼は僕を持ち上げて軽く立たせたかと思うと、今度は彼がソファに座った。僕を膝の上に座らせて、ニヤリとしていた。  僕は訳が分からずに、彼にしがみついていた。彼はどこからか、ローションを持ち出して手に出していた。 「これ、しっかりとつけないと」  指につけて、優しく僕のお尻に付けて擦っていた。ゆっくりと挿れてきて、動かしていた。  いつもと違う感じがして、変な感じがしたけど気持ちいい。気がつくと指が増えていて、中を掻き回された。  彼の興奮している息遣いが聞こえて、それが益々興奮させてきた。しばらくすると、指を抜かれて体が熱くなっていた。 「もっ……と」 「はあ……んっ……ちょっと待って」  彼が少しズボンを脱いで、かなり主張している彼のが見えた。それにゴムをつけて、ローションを垂らしていた。  彼は僕を少し持ち上げると、優しく微笑んでいた。そしてゆっくりと中に挿入してきて、広げられていく感覚がした。  ――――待って、このやり方どこか既視感がある。 「あのさ……んっ……このやり方って」 「前に描いたやつかな? 本棚にあったよ、桃色せんせ」 「やっぱり……」 「参考資料に、読ませてもらった」 「そんなのさんこ……んっ…あっ」  一気に腰を下ろされて、いつもと違うところに当たっていた。いつもと違う感覚がして、なにも考えられなくなった。  彼に優しくキスをされて、体を支えられていた。舌を入れられていて、いつもよりも彼の形が僕の中ではっきりしているように感じた。  ゆっくり動いたかと思うと、早くしたりした。やっぱ、この体勢だといつもと違うように感じる。 「んっ……んあっ」 「律さん、可愛い……はあ……」  キスを止めたかと思うと、今度は首筋にキスをされた。少し痛みは走って、体が高揚し始める。  その間も腰の動きは止まらなくて、奥まで入っているようだった。声が抑えきれずに、自分のじゃないような声が出てしまう。  僕のを扱いていて、一気に快楽が押し寄せてきた。すると優しくキスをされて、それでより一層気持ちよくなってしまう。 「んっ…んあっ……そ、れ……ダメ」 「気持ちいいだろ? イっていいよ」 「んっ……」  首筋にキスをされて、イってしまった。それとほぼ同じぐらいに、僕の中の彼のが大きくなった。  暖かい感じがして、彼もイったのは明白だった。一気に全身の力が抜けて、彼にもたれかかった。  優しく抱きしめてくれて、ゆっくりと体を持ち上げられた。抜かれたけど、彼はそのまま僕を膝の上に乗っけて抱きしめてくれていた。 「おも……くない?」 「律さんが重いなら、何も持ち上げられないよ」 「だって、全部預けているから」 「いいよ、預けて」  彼の言葉が嬉しくて、僕は頷いた。急激に眠くなってきて、ウトウトしていると背中を摩られた。  その感触が心地よくて、気がつくと寝てしまっていた。目が覚めると頭の下に何やら、少し硬いものがあった。 「くすぐったい」 「もうっ……」  そこで硬いものは、彼の膝なのだと理解した。起き上がろうとしたけど、上手くできないでいた。  すると彼が声を押し殺して笑っていて、少し揺れて変な感じがした。カッコいいけど、少しは手伝ってよ。 「お風呂行きたい」 「行こっか。お湯溜めておいたよ」  出来る彼氏すぎて、僕は嬉しい限りだよ。彼に抱き抱えられて、浴室に連れて行かれて椅子に座った。  器用に服を脱がされて、優しく丁寧に洗われていた。正直もの凄く恥ずかしいけど、目が見えないし。  ここは甘えておくことにした……。でもさ、こんな風に尽くされているとダメ人間になりそう。  いい例が身近にいるから、僕は流されないようにしないと。頭では分かっていても、ついついこの手が気持ちよくなってしまう。 「あのさ、一つ聞きたいんだけど……まさか、湊くんにも同じようなことしてないよね」 「えっと、料理はしてたけど。それ以外は、してないよ」 「料理?」 「湊は料理が下手とかじゃなくて、人体に影響を及ぼすからな」  どこまで酷いんだよ……まあでも安心したよ。完璧なのかと思っていたけど、意外なことが出来ないなんて。  正直推しの料理は食べてみたいけど、人体に影響はヤバいから言わないでおこう。湊くんのことだから、言ったら目を爛々に輝かせそうだし。 「寒いし、浸かってて」 「うん、分かった」  気がつくと体が洗い終わったようで、僕は湯船に浸かっていた。ゆっくりと浸かりながら、色々と考えていた。
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