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神「……」
神楽は引っ越し先へやってきた。
神「内見の時も思ったけど、スゴい邪気だな」
数日前、神楽はこの家へ内見へ来ていた。
その時は何もなかったが、神楽は常に強い邪気を感じていた。
神楽が引っ越してきたのは、1LDKの一戸建ての家だった。
内装は意外と綺麗で、とても事故物件とは思えないほどだった。
話によると、家主が寝ている間に幽霊が掃除をしているらしく、床を拭く音や掃除機をかける音が夜中に毎日聞こえていたらしい。
神「……いや、どんな幽霊だよ」
神楽が部屋に入ると、前に来た時よりも少しだけ部屋が片付いているように見えた。
神「……本当に掃除されてる?」
神楽は荷物を部屋に置くと、鞄から塩を取り出した。
?「あぁ……」
神楽の後ろから声が聞こえた。
神楽はゆっくりと後ろを振り向いた。
?「あぁ……」
一体の幽霊のようなものが、スーッと壁から出てきたのだ。
足は透けていて、一目で生きているものではないことが分かった。
神「こいつか、家に住み着いてる霊というのは」
?「あぁ……」
?「あぁ……」
?「あぁ~」
一気に4、5体の霊が壁から出てきた。
神「えぇ~……」
神楽は小さく声をあげた。
その声に幽霊はピタリと動きを止め、ゆっくりと神楽の方を向いた。
?「あぁ……」
幽霊たちはゆっくりと神楽に向かっていった。
神「……」
パァン……。
神楽は幽霊の一体にビンタをした。
?「あぁ……」
すると、全ての幽霊はスッと消えていった。
神楽はかなりの霊感の持ち主で、霊に触ることはもちろん、ビンタひとつで霊を強制的に成仏させられるほど、霊力の強い人間なのだ。
神「ハァ、面倒なことになりそう……」
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