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神「これでよし、と」
神楽は部屋にお札を数枚貼り、霊道の通り道を変えた。
次に段ボールの中の私物を取り出し、部屋を飾り付けた。
元々荷物が少なかったため、2時間で8割ほど片付け終えることができた。
神「タンスとかは後で買い揃えるか」
神楽は息抜きをするために家の周りを散策することにした。
神「見事に何もないな……」
神楽は家の周りを見たが、ほとんど家は無く、雑木林やシャッターの降りたお店が並んでいるだけだった。
?「あの……」
不意に後ろから声をかけられた。
神楽は声の方を振り向いた。
?「もしかして、こちらに引っ越してきた方ですか?」
神「あ、はい」
?「私、ここの近所に住んでいる赤星夏実(あかほしなつみ)です。よろしくお願いします~」
そこに居たのは、まるで峰不二子のような体型をした女性だった。
そして、夏実の後ろにはウネウネと触手のようなモノを持った悪霊がいた。
神「(気持ち悪っ)」
夏「気を付けてくださいね。この家、呪われてますから」
神「あ、はい……」
夏「私も最近、体の調子が悪くて」
夏実はそう言って自身の体を抱き締めた。
悪霊は夏実の体にまとわりついていた。
神「……」
夏「何かあったらいつでも言ってくださいね?」
神「ありがとうございます」
夏実は振り返った。
パァン。
神楽は幽霊の頭を叩いた。
幽霊は消えていった。
夏「(何か体が軽い?)」
夏実は違和感に思いながら、そのまま立ち去った。
神楽はそんな夏実の背中を見送りながら優しく微笑んだ。
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