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揺れる想い
第3章
しかし、展示会の帰り道、由紀はふとした不安に襲われた。竜二との関係が深まるにつれて、自分が彼に対してどれだけの感情を抱いているのかがわからなくなってきた。彼がどんなに優しくても、何かが足りないように感じてしまう。
ある晩、由紀はカフェで一人静かにコーヒーを飲んでいた。そこに、竜二が現れた。彼は由紀の様子を見て、心配そうに問いかけた。
「どうしたんだい?最近、元気がないみたいだけど。」
由紀は正直に答えた。「実は、最近、自分の気持ちがよくわからなくなってきたの。」
竜二は静かに考えた後、優しく言った。「それなら、ちょっとした時間が必要かもしれないね。無理に答えを出そうとしなくてもいいよ。」
その言葉に、由紀は安心した。彼の優しさが、心に沁みた。
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