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雨、止まないなぁ。 来た時と同じように電車のドアにもたれかかって、雨の景色を眺めている。 別れようと言った私に慎吾は何も言わなかった。 追いかけても来なかった。 自分の大事なものの間で揺れ動いているのかもしれない。 結局本当に私の優先順位は低いのかもしれない。 私のアパート、まだ解約手続きしてなくてよかった。 仕事の都合で引っ越しが来週から延びるかもしれないからとまだ解約手続きしていなかった。 先ほどのマンションは2人で暮らす為に借りた部屋だから、家賃が少し高い。 慎吾が家賃が低いところに引っ越し直すというのなら、引っ越し費用を弁償しても構わない。 …そこまで考えて、随分と現実的になっている自分が可笑しくなった。 たふんずっと心の奥で引っ掛かってたことだったんだね。 それを言えてすっきりしているのかな。 初めて泣き叫ぶほどの感情を慎吾にぶつけた。 慎吾の気を引くための駆け引きではなく、本当の感情だった。 今までも喧嘩してくればよかったのかもしれない。 でも、喧嘩するほどの嫌悪感が出たのはこれが初めてだから仕方が無い。 早く帰ろう、自分の家に。 そして雨が上がったら窓を開けて大掃除しよう。 引っ越さなくなったからまたよろしくねってお部屋に花も飾ろうか。
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