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素焼きに吸い物、松茸ごはん。採った松茸を使った料理を披露すると、伯央は顔を綻ばせた。
「ご馳走だな。それに清涼な香りがたまらない」
「だろう? これを知らないなんてもったいないよ。……あ」
「どうした?」
「伯央、口の端に米粒が付いてる」
「こっちか?」と伯央が左端を手で擦るが、反対のほうだ。
「全然違う。右側だ」
我慢出来なくなり、手で伯央の唇を拭ったあと、米粒がもったいないと思って口に放り込んだ。ちょっとなれなれしかったかな、と自分でしたことが恥ずかしくなったとき、伯央がハッと気付いた顔になった。
「秀、誘ってるのか?」
「そういうわけじゃ……、米がもったいないと思って」
視線を泳がせると、グイッと肩を持って伯央のほうを向かせられた。
「俺の目を見ろ、秀。昼間、お前がほしいと言っただろう。俺に抱かれるのは嫌か?」
「い、嫌じゃ……ない」
正面から尋ねられると、嘘なんて言えない。伯央は濁りのない綺麗な瞳をしているから。
「よかった」
ちゅっ、と伯央の唇が重なってきた。
「ん……っ」
唇を割って舌が差し込まれるので、俺も同じように絡める。伯央の唾液には俺が作った松茸料理の味が残っていた。
「秀……」
いつのまにか床に倒され、着物の上半分ほとんどが脱がされている。むき出しの胸の尖りを、伯央の大きな指が弄んでいるのが見えて、あまりの早業に目眩がした。
「は、伯央」
「ん?」
「胸なんて……。俺、女じゃないのに」
「なに言ってるんだ、こんなにつぶらで可愛いところ、さわらずにいられないだろう。ほら、あっという間に硬くなってきた」
間髪入れず胸の頂きを吸われる。
「あぁ……っ!」
こんなことをされたのは初めてなのに、首筋がゾクゾクするほど気持ちがいい。ジュッ、と唾液をまとわり付かせて吸われると、息がせわしなくなる。
「そこばっかりやだ、あ、んうっ……!」
あまりの快楽に首を振ってしまう。酒も飲んでないのに酔ってしまったのだろうか。
「じゃあ、次は反対だな。ただし、こっちの乳首もちゃんといじってやる」
舐められていた乳首を、今度は指できゅうっと挟まれ、引っ張られる。と同時に反対側の乳輪を丸く舐められた。
「ヒッ、はあぁ……っ!」
片方へはきつい刺激、もう片方はもどかしいほどの優しさで責め立てられ、涙が盛り上がってくる。特に乳首の周りだけ刺激されるのがつらかった。伯央の袖を引っ張り、乳首を吸い上げてほしいと訴えても応えてくれない。
「どうしてほしいんだ、秀?」
こちらを見上げる伯央が余裕たっぷりに微笑む。ずっと寺で暮らしてきた癖に、なんでこんなに経験豊富なんだろう。
「真ん中……舐めてくれ」
「ここか?」
「あぁっ!」
さんざん焦らされたところを吸い上げられた感触は言葉にできないほどだった。
瞼をギュッと閉じると星が瞬く。胸をいじられているというのに、陰茎に電流が走る。すっかり硬くなってしまった下半身に気付いた伯央が、乳首を含んだまま手を伸ばしてきた。
「良い感じに硬くなってきたな」
そう言って、指を使って先走りを広げはじめる。
俺はというと、先走りを竿に塗られる気化熱のせいでゾクゾクとしてしまった。乳首を舐められたままで陰茎をさわられていると、忘我の境地へ行ってしまいそうになる。
「俺も……、伯央をさわりたい」
途切れそうになった意識の中で、抱かれるといっても相手を気持ち良くしたい、と思った。されるだけで喜ぶなんて女と一緒じゃないか。
「さわってくれるのか? 秀」
伯央の手が、その場所に導いてくれる。そこは驚くほど硬質で巨大といってもいいほど膨れていた。
「お、大きい……っ」
「俺は大柄だからな。もし秀の中に入るのが無理そうだったら、素股でもしてもらうよ」
素股ってなんだろう、と思っていると、太腿のあいだに彼のものが挟まれた。
「こうやって脚のあいだで擦りあげるのが素股。商人なのに知らないのか?」
「あいにく俺は真面目な商売しかしてなかったからな」
本当に、なんでこんなに詳しいのかとため息を吐いていると「やべっ、脚のあいだ温かくて気持ちいい」と呟かれた。伯央のそれは最初にさわったときよりもっと硬く育っている。
「さわってくれるんだろう? やり方分かるか?」
「わ、分かるけど……っ」
太腿に挟まれた伯央を握ると、太い血管が浮き出ているところまで感じられた。それに太い。俺だって男だけど、大人と子供くらいの差がある気がした。
「ほら秀、こうやってこするんだ」
性器をこすられ、またどこか遠くへ行ってしまいそうになるのを必死でこたえた。
「こうか、伯央……?」
おずおずと上下に擦ると、「違う、もっと強くだ」ときつく握られた。
「ちゃんとさわってくれ。もどかしくておかしくなりそうだ。……そうだ、一緒に擦るか?」
俺のものと比べものにならないほど太いものを重ね合わせられ、手のひらで包まれる。
「秀も手を添えて」
「んっ」
そっと大きな掌の上から握るが、伯央の手が大きすぎて隙間もなかった。
向かい合わせで性器を擦られていると、「秀」と唇を寄せられた。合わせるとすぐに温かい舌が入り込んでくる。とろりとした感触が気持ちいい。
「ん、ん……」
俺はもう、口付けと陰茎への刺激でどうにかなりそうだった。ときどき濡れた感触がするのは、互いの先走りが溢れているのだろうか。なんども擦り上げられ、快感を高められて絶頂へと連れていかれそうになり、そのたびに伯央の肩を叩いて限界を知らせた。
「出してもいいんだぞ、秀。でも今のうちに、後ろも慣らしておくか……」
呟いた伯央が俺の尻の狭間に手を伸ばし、尻孔を指で拡げた。
「俺のデカブツが入るまで、ゆっくりじっくり拡げないとな」
「も、もしかしてここに……い、入れるのか?」
「ほかにないだろう。すまんな、はじめは違和感がひどいかもしれん」
言葉の次に、人差し指が忍び込んできた。たしかに変な感じがする。なにか逆流するというか、逆らいたくなる。
「は、伯央……」
「でも違和感だけじゃない。そこが男だけに与えられた快楽だ」
第二関節ほど進むと体の内側へと指が曲げられる。と同時に性器を撫でられた何倍もの悦楽に見舞われた。
「……ふぁっ!」
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