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悩んで、迷って、抱きしめて、タンスの上に置く。
段ボールには入れなかった。
今、この部屋にあるのは布団の敷かれていないパイプベッドと空になったタンス。
そしてタンスの上に置かれた私の大好きなくまさん。
色褪せてごわごわになった毛並み、痩せたお腹にくたくたの腕は決して"かわいいぬいぐるみ"とは言えないが、私の大切な愛しい存在だ。
小さな頃からずっと私の側にいてくれた君。
嬉しい時にはギュッとして、時には涙を拭ってくれた。
怒りと悲しみに身を任せてしまった時も柔らかな体で優しく受けとめてくれた。
私は今日、ここから旅立つ。
君は連れて行かないことにした。
私はもう君がいなくても大丈夫。
だから君はここにいて。
時々会いにくるからね。私はずっと君がすき。
さよなら私の愛しいくまさん、
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