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「…親のこと?…あのババア、カウンセリング回るのが趣味なんだ。もうどこにでも相談しまくって…。言いふらすんじゃねーよ。ったく。ほっといてくれっつーの」
「言いふらすのは困るね。プライベートなことだし」
うんうんと堺が頷いた。
「今は…ダチと飲んで…騒いで…、ブラブラして…たまに喧嘩して…ちょっとアブナイことして。それで…いっかな…」
「ふんふん」
堺は万年筆を弄びながらしげしげと相手を眺めている。やがてその目に妙に光るものが現れる。酔いが回った俊はそんな相手に気がつかず、ソファーの腕置きを枕にうつらうつらし始めた。
「…なんかこう、面白くって、刺激あって…気持ちイイこと…ないかなあ。…クスリとかはNGなんだ…。俺、咳き止めでも吐いちゃったから…」
「よろしい」
カタンと、ペンを置いた堺。
「私が何とかしましょう」
「…へ?」
立ち上がった堺を俊は眠たそうな顔で見上げた。脱色した髪を左右に振って、ボケた思考を取り戻そうとする。
「なんとかって…何? 更生とか…ダルいの聞きたくない…んだけど…」
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