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「面白くって刺激があって、気持ちイイことね」
堺が身支度を整えながら、そううそぶいた。
「違うって! 俺は、そういうカウンセリングって聞いて…!」
「ああ、教育カウンセリングって?」
「わ、分かってて…!」
ソファーにぐったりと横になっていた俊は、何とか身体を起こして叫ぶ。が、にっこりと笑った堺の方がかなり上手上手。
「良くなかったかい?」
「…う、訴えてやるぞ!」
ジーンズを拾いながら顔を真っ赤にして怒鳴る俊に、堺は煙草に火を点けながら平然と言った。
「何で? ここはその手の専門だぜ。それで坊や、君のカウセリングは毎週水曜日だ。OK? ん?」
堺が指で示した白い名刺。
「二度と来るもんか!」
まだ顔を赤らめて俊は足音も荒く部屋から出ていった。それでも去り際にそっとポケットに名刺を忍ばせていた彼を、堺は投げキッスで見送った。
番外編① おかあさん 恨みます! END
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