第十一章 可愛くなりたい

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第十一章 可愛くなりたい

 結局、偶然石川くんと女の子が手を繋いで歩いているのを見かけて、ああ、終わったんだと分かった。  元々始まってもいなかったし、嘘恋デートだったので、心の傷にならないだろうと思ったが、ぽっかりと心に穴が空いたみたいで、何もやる気が起きなかった。  私はやっぱり誰からも必要とされないのだろうか。  日曜の夜。自分の部屋のベッドで眠れずにゴロゴロしていると、ほのかから 『椎名くんの事なんだけど』  と、メールが届いた。  内容は、レンから告白されたけどどうしよう、と言うものだった。  ラブレター、要らなかったね。  ほのかはどうしたいか聞くと、OKしたいけど私の事が気になっているという事なので、 『別に良いんじゃない? 私たちはただの友達だから』  と送った。  数時間後、 『付き合う事になったよ』  と返事が来たので、 『そう』  と返した。  みんな好きに付き合えばいいじゃない。  私の許可なんて要らないでしょ?  別に私なんて‥‥。  可愛いく産んでくれたら、  良かったのに。  次の日体調が悪かったので二日休んだ。  30、31日と。  明日は4/1、新学期が始まる。
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