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「ねぇ、知ってる? 鳥居とは繋がってるのよ」  そう彼女が言ったのは、春休みに入って初日だった。オカルト研究会(通称・オカ研)に所属した僕は、友達に気味悪がられながらも高校生活をエンジョイしていた。昔からオカルトが大好きな僕は、わざわざオカルト研究会があるこの高校を選んだのだから。  そのオカ研で部長を務める神流(かんな)が、眼鏡を光らせながら不気味な口調でそう言った。全体的にこけしを連想させるような髪型をした神流は、毎日こうしてオカ研に何かしらのネタを持ってきてくれる優秀な部長だ。 「それ聞いた事ある。都市伝説であるよな?」  副部長の水元(みずもと)が言った。体育会系にいても可笑しくない短髪に筋肉質の風貌をした男だ。  現在部員は僕を含め、3人。部長の神流、副部長の水元、そして僕だ。僕がちゃんと来ている部員では唯一の新2年生で、神流も水元も新3年生になる代である。本当はもっといるのだが、どれも名前ばかりの幽霊部員なのだ。廃部にならないのはそれだけの幽霊部員がいるからということである。 「そう。41、鳥居の先に常世が広がるの」 「何で4月1日限定なんですか?」  僕は読んでいる雑誌を閉じて、神流の方を向いた。 「そりゃ、だからに決まってるじゃない。世の中で一番嘘が溢れる日よ」
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