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図鑑で、この花達を調べると。
スワーロンと、スノーフレの白い花の違いは花の大きさだった。その花が、どうして屋敷の庭に植えてあったのかというと。
お母様が婦人会の茶会でスワーロンの花にはリラックス効果があると聞いて、茶葉にして飲んでみようと、庭師のおじじに苗を植えてもらったみたい。
(……お母様が、茶葉にする前でよかったわ)
だけど、何十年とこの屋敷の庭園を見てきた、庭師のおじじが気付かないなんて事はありえない。元におじじはスワーロンとスノーフレの球根の大きさを、何年も使用する手帳に書いている。
(もしかして、何者かが庭のスワーロンの花を植え替えた?)
ルルーナは色々考えてみる。――そして、一つだけ思い出す、3回目にカサロに贈られた青い毒花のことを。
――カサロが、やったの?
それはない、いまルルーナとカサロ、浮気相手のリボンはまだ7歳だ。庭の植物を、庭師のおじじに見つからず植え替える事はできない。
――だとすると、2人の両親?
いや、彼らが交易で偽物をつかまされて失敗し、没落するのはルルーナ達が12歳のとき。今は裕福では無いもの、普通に生活をおくっている。
どうして、ルルーナがそう思うかというと。
婚約者になった後に屋敷で開かれた、お茶の席での彼の服は高級品だった。
――となると、いったい誰なのかしら?
お父様が見守るなか、毒花はすべて庭師のおじじによって掘り起こされ、スワーロンの白い花が植えられた。
捨てられる毒花のスノーフレは、こっそりルルーナが手に入れた。
(何回も巻き戻っているから、茶葉の作り方は知っているわ)
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