2 魔法学園の花ですか?

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 2ー3 洗礼ですか?  気が向いたら。  そう、思っていた筈だった。  なのに。  「はやく見せろ、オルナム」  そう、俺に迫るのは、俺の婚約者である第一王女殿下だった。  入学式の日、俺は、さっそく婚約者である王女殿下の使いの者に呼び出され王女殿下の部屋につれていかれた。  魔法学園は、全寮制だ。  すべての生徒は、学園の敷地内にある寮に入り、そこで4年間過ごす。  だいたいの者は、二人一部屋だが、俺と王族は別だ。  俺は、男だからということで個室を与えられていた。  だが、この王女殿下の部屋とは比べ物にもならない。  どこのホテルかと思うような広い豪華な部屋に置かれたソファに腰かけた王女殿下は、俺に開口一番命じた。  「例のもの、身に付けているのだろうな?そこで見せてみよ」  はい?  俺は、硬直していた。  いやいやいや。  それが初めて会う婚約者に言う台詞ですか?  俺は、困惑して王女殿下を見つめて立ち尽くしていた。  すると、王女殿下が立ち上がり俺に近づいてきた。  「はやく、見せてみよ」  王女殿下は、俺のすぐ前に立つと俺を見上げた。  そう。  初めて会った王女殿下は、小柄で、ほっそりとした、というか幼女体型?  この世界の女は、なんというか胸筋が発達した者が多いのだが、この王女殿下は、それがなかった。  まったく。  なんなら少年かと思うぐらいまったいらだ。  王族の証である黒髪に青い瞳。  青白いほど白い肌に赤い唇。  気の強そうな眼差しが印象的だ。  俺の鼻をふわりといい匂いがくすぐる。  王女殿下の匂い、だ。  女の匂いを快いと思ったことなんてなかったから、俺は、驚いた。  たいていの女は、汗くさかったり、あまり好ましくないものだが、この王女殿下は、違う。  ってか、俺、王女殿下と会うの前世を通じてもこれが初めてなんですけど。  こんなガキっぽい、いや、美少女だったなんて知らなかった。  「何をぼんやりしている?」  王女殿下は、いきなり俺の股ぐらに手をやりそこを握りしめた。  はいぃっ?  俺が体を固くすると王女殿下がにぃっと唇を歪めた。  「ちゃんとプレゼントを身に付けてくれているようだな、オルナム」
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