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3ー9 望む未来へ
「それで?」
俺は、ローナに訊ねた。
「俺をどうしたいわけ?」
「お前には、私とともに来てもらう」
ローナが俺の方へと近づいてくる。
「何、悪いようにはしない。お前は、魔王様を助けるわけだからな。人は、皆殺すが、お前だけは生かしてやる。そうだな。私の愛人として」
はい?
俺は、宇宙の果てまでも引いていた。
愛人ですと?
俺は、はぁぁっとため息をついた。
結局、俺ってそんな感じ?
何度、生き直しても女にもてあそばれるのか?
いや!
俺は、拳を握りしめた。
却下、だ!
こんな未来は、却下する!
俺は、ローナに向かってにっこりと微笑んだ。
ローナも俺に微笑む。
「理解してくれたか」
「ああ、確かに、理解した」
俺は、ベッドから立ち上がった。
「俺は、戦うことでしか俺の望む未来を手に入れられないんだってことがな!」
「何?」
ローナが信じられないというような表情で俺を見た。
「お前が私と戦う、と?バカなことを」
「バカかどうかは、やったらわかるさ」
俺は、枕元に置いていた剣を取るとローナに向かって斬りかかった。
ローナは、強かった。
俺の一撃は、ローナには届かなかった。
俺は、ローナの闇魔法によって両手両足を封じられ空中に磔にされた。
「私に逆らうとは、愚かな」
ローナが俺に指先で触れて、自分の方へと向かせる。
「今からでも、許しをこうがいい。そうしたら」
「殺せ」
俺は、ローナに向かってにやりと笑った。
「俺は、決してお前たちには、跪かん」
「ここまで愚かとは」
ローナが頭を振る。
「いいか?別に、聖者は、お前でなくともいいんだぞ?ただ、お前が私の好みだから選んでやったんだ。それを」
「他に候補がいるっていうなら俺を殺しておけ。さもないと」
俺は、ローナに向かって唇を歪めた。
「お前は、俺に殺されるだろう」
「貴様!」
ローナがぎろりと俺を睨んだ。
「そんなに死にたければ、殺してやろう」
ローナの腕が俺の腹を貫く。
俺は、ごぼっと血を吐いた。
薄れていく意識の中で俺は、誰かが俺を呼んでいる声をきいていた。
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