1 転生ですか?

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 1ー4 守りたい!  俺は、その日を境に生活を一変させた。  それまでは、一日の大半をマナーや王国の歴史の勉強に費やしていたが、俺は、それをほとんどしなくなった。  かわりに俺は、剣を振るい始めた。  最初は、素振りから始めた。  ただの木剣だったが、まだ10歳になったばかりの俺には、重かった。  それでも俺は、必死にやった。  服装も、それまでのひらひらした華美な物はすべて捨て去った。  俺は、動きやすい女のような格好をするようになった。  もともと転生する前の俺にとっては、普通のことだったが、周囲の者たちからすればそれは、異様なことだった。  特にロタにとっては。  ロタは、見ていて気の毒になるくらいおろおろしていた。  何しろ、自慢だった美しい坊っちゃんが急に女の真似事を始めたのだから驚かない方がおかしい。  それでも俺は、毎日、剣の鍛練を続けた。  白く美しかった手が豆だらけになり、それがつぶれて血がにじむ。  それでも俺は、やめなかった。  俺の異変に、領地見回りの旅から帰ってきた両親も驚いていた。  母上は、俺に、問いかけた。  「なぜ、そのような事を始めたのか?」  俺は、答えた。  「俺は」  俺は、母上が恐ろしかった。  鬼神と呼ばれる辺境伯である母上は、俺からすれば怖い人だった。  厳しくて、いつも仕事で家をあけていた。  だが。  俺は、顔をあげて母上をじっと見つめた。  「俺の婚約を破棄していただきたいのです」  「なぜ?」  さらに母上に問われて俺は、答えた。  「俺は、騎士になりたいのです」  「騎士、だと?」  母上が鼻で笑った。  「オルナム、男は、騎士にはなれん」  「誰が決めたのですか?」  俺は、母上に食い下がった。  母上は、いつになく強情な俺に驚いている様子で俺を見ていたが、やがてゆっくりと話し出した。  「この世界の理だ。女が剣をとり戦い、男は、家を守り子を育てる」  母上が俺に理を説く。  「それが自然な姿、だ。わかったか?オルナム」  「わかりません」  俺は、母上に生まれて初めて口答えした。  「かつて、男であっても女と共に戦っていた時代はあった。俺は」  俺は、真剣な眼差しで母上を見た。  「ただ、家族を守りたいのです」  
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