3. 班決めとメール

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3. 班決めとメール

2年生が始まり、3週間が経過した頃。 ついに、2年での初行事である修学旅行がやってくる! 相変わらず、変装しきっていた俺ではあるが⋯。 いきなりのピコンと言うメッセージ音に少し驚きつつも画面を見る。 「よっ、紫苑。修学旅行の班さ〜、何とかして一緒にならない?」 「そんなの、どーやるってんだ?」 「ふっ、ふ〜ん。任せたまえ、モブ紫苑どの。」 「モブはやめろ、間違っては無いけどさ⋯。 それは置いといて、どんな計画なんだー?」 「それはだな、まずグループを3人集めとく。(ちなみに遥花と紫苑、陽都、夏海だけどな!) それで、皆俺入れてって言うと思うんだよ! そこでだ、 あーあの可哀想なしおん君、だったっけ?を入れてあげよー? と言って4人グループを作る!どーだ?」 「あのなぁ、いい案ではあるが俺をいじりすぎだ!もう少しお手柔らかにしろよー?」 「はい、はーい。じゃ、そーゆことで!」 そして、メッセージを素早く終え小説を読んでいる振りを始める。 ちなみに、この本は小説に見えるが体力の付け方についてをまとめてある我が一族の本なのだ。 これで、モブの姿=オタクと言うキャラから、少しだけレベルアップできた気がする。 他の奴らは、俺に目もくれないからこそ出来る至難の業だ。 本をずっと読んでいると、担任が教室へと入ってきて、 「皆さん、今日のホームルームは修学旅行のグループ決めとバスの座席を決めます。学級委員長を中心にお願いします。それでは、始めてください。」 すると、前に一人の男子が立った。 「改めまして!学級委員長を務めています、水神龍です!早速ではありますが1グループにつき4人グループを作ってください!」 皆、「待ってました!」と言わんばかりに勢い良く椅子を引く音が盛大に鳴っていた。 グループに関しては、隣のクラスの人と一緒に組んでも問題ないらしい。 すると、座ってぼーっとしてる俺の元へ予定通り遥花・夏海・陽都の3人がやって来て演技をしだした。 「ね、しおん君?だったよね。もし、1人ならグループ入んない?」 皆が一斉にざわつき出した。これも予定通りとはいえめんどくさい…。 「あ、あの。ぼっ僕なんかでいいんですか?」 演技をした後、顔をちらっと上げると3人の吹き出しそうな顔が目に止まった。 (あんなに頑張ったのにさぁー、ひっどいんですけど…。) 内心、そう思いながらも俺は耐えた。 「もちろん、だって皆で回った方が楽しいだろ?」 すると、周りから「やっぱり、陽都君って優しいね」なんて言う声が多発していた。 「そ、そうだね。じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうね。陽都君どうもありがとう!」 (君付けなんていつぶりだろうか…。 しかもよりによって3人の前で恥ずかしいったらありゃしないっつーの。) 「じゃあ、俺らのチームは決まったな。遥花、夏海そっちのクラス委員に伝えてきたら?」 すると、遥花と夏海が「「そうだね!」」とハモった。 2人は、ツボにハマり笑ったままクラスに戻って行った。 その後座席決めを行い、俺は同じクラスの委員長である水神龍と隣になった。 すると、また陽都からメッセージが来ていた。 「なぁーなぁー。」 「今度は、どーしたんだ?」 「紫苑ってさ、夏海の事好きだろ?」 (な、なんで分かったんだろ…。だが、バレる訳には行かない。だって、陽都はすぐ他2人にばらすんだから。) 「ちげーよ。それにいねーよ、そんな奴。」 「ふーん、そっかよかった。」 「何が?」 「もし夏海の事が好きとかだったら、絶対紫苑、 後悔するから。」 「な、なんだよそれ笑?」 俺は、冗談交じりにそう言った。 (何が言いたいのかいまいちよくわかんねー。) ー俺は、この時にはまだ気づいていなかった。 あのメールの本当の意味を⋯。
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