ハロウィンパーティ

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「さあ、今日は4月1日。エイプリルフールだー」 リーダー格の恵美(めぐみ)が注射器を握りしめた右手を突き上げて大きな声を出す。 「みんな、この日が来るのを楽しみにしてたからね」 鍔の大きな帽子を被り、全身ブラックで纏めているクールビューティという言葉がぴったり似合う千佳(ちか)が、落ち着いた大人の雰囲気を出している。 「やっぱぁー、エイプリルフールっていったらこれだよねぇ」 頭から小さな角を生やし、ヒラッヒラの短いスカートから細い脚を覗かせる、小柄な体躯に舌っ足らずがあざとい桜子(さくらこ)がはしゃいでいる。 アタシを含めたこの四人はよく一緒に行動する仲だ。 いわゆる仲良しグループだ。 世間は春休み。 イベントに託けて久しぶりに集まった。 しかし、アタシ以外のメンバーの様子がおかしい。 恵美は血塗れナースで千佳は魔女。桜子は小悪魔の恰好をしている。 「ちょっと、あなたたち。今日はエイプリルフールでしょ。イベント間違えてない?」 絶対、ハロウィンと間違えているのだろうということは、集合場所に着いた時から気付いていた。 「加奈(かな)。そんな小さなこと気にしてたらストレスで早死にするよ」 「今日は嘘をついてもいい日じゃない。仮装するってそう言うことでしょ?」 「お菓子をくれなきゃ嘘つくぞぉ!じゃなかったっけぇ?」 本気で言っているのか冗談なのか分からない。
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