贖罪はエイプリルフールに

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11:20 3時間以上経った。 何の返事もない。 1時間以上前にザビエルの近くについていた。 ここは母校の近くの裏通り。街路樹を抜けて、左に曲がる。 私はザビエルが見えるチェーン店の窓際に座り、紅茶1杯で粘っていた。 気を紛らわすために韓国ドラマの続きを見ているが、何も頭に入らない。 「ハァ…」 メイクはこれ以上すると濃くなるし。 まつ毛のカールの調整をして、手が止まった。 「来ないんだ」 朝から積もっていた不安が、とうとう限界点を超えた。 「一周回って、やっぱりエイプリルフール…」 ドクンと心臓が鳴った。 認めたくない…けど。 「時差でずれたんだ。理人は、海外の田舎にいるから」 昨夜の理人のメール受信時刻を再確認。11:59 「これ、やっぱりただの悪戯メールだ」 良いように解釈して、盛り上がって、思い出の店を指定してずっと待っている すっかり騙された自分が恥ずかしい。 ネットニュースやXに次々とエイプリルフールのニュースが載りはじめた。 ネタ晴らしやごめんなさいニュース、笑った!うっかり信じた!など世間は沸いている。 「あははは…おもしろ」 それを読みながら私も笑うことにした。だってただのジョークだから。 笑わなくちゃ。今日は嘘をついて面白がる日。 ルルルルルルル…着信音。 私の空笑いで気のせいかと思ったら、確かに電話がかかっている。 「着信 理人」 嘘でしょ! いや。 大事なことは電話をする、きっと理人だ。 「もしもし」
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