贖罪はエイプリルフールに

０７：１０

あれから２時間。私はまだ返信できずにいた。

調べてみたら、結衣の言う通り、エイプリルフールは午後には嘘でしたと言うべき、という暗黙の了解があるらしい。
あまり長時間だと、冗談を真に受ける人がいて笑えなくなるからだ。
昔の理人は見事に騙されていたっけ。

今頃は世界中で誰かを驚かせようと、騙す側はワクワクしている。

私と結衣はモーニングを食べに来た。ここのカフェは抹茶ラテが美味。
ほうじ茶ラテも好き。あとは…
「もう７時間たってる。早く返信！」
結衣の叱咤激励が飛ぶ。
そうだそうだ、白黒つけなくては。私はスマホの受信画面を開いた。

理人　受信

「ん？」

今まで文章に気を取られていたが、あることに気づいた。

「ねえ、結衣、これ見て！」
「何？」

「3月31日　11時59分に受信だよ！」
「本当だ！ということは…」

私と結衣は、両手を取り合う。二人とも立ち上がった。

「エイプリルフールじゃない！！」