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目を輝かせながらワクワクした様子で箱を開ける雄征。…その瞬間、飛び出す蛇の玩具。
「うわっ!」
「あはは!引っ掛かった~!」
「嘘だろ…グミじゃなくてビックリ箱かよ…しかも蛇の玩具ってさぁ…」
見事に引っ掛かってくれたことで私が笑っていると、呆れた視線で雄征がこちらを見つめてくる。
「雄征、今日何の日か知ってる?」
「…今日?4月1日だろ?」
「そうだよ。エイプリルフール!」
「あっ」
すっかり今日が何の日か忘れていたようで、私からその単語を聞くと、途端に理解できたみたいだった。
「何だよ、そういうことだったのか」
「あははっ。面白いくらいに引っ掛かってくれたね」
「もう笑うなよー」
少し照れながら拗ねた雄征に、更に笑ってしまいながらも、そんな雄征に声を掛けた。
「それでさ、その蛇の玩具引っ張ってみてよ」
「え?これを?」
「そうそう、少し強めにね!」
『何でこれを?』と言いたげな表情の雄征だったけど、素直に蛇の玩具を引っ張り出してくれる。
「あっ!」
蛇の玩具を引っ張り出せたところで、中に更に何か入ってることに気がついたようで、雄征が目を丸くしながら声を上げた。
「え!?本当にグミ入ってるじゃん!」
蛇の玩具の下に隠していたのは、雄征が本当に食べたがっていた新発売のグミ。しかも奮発して3袋も入れてある。
「そうだよ、ビックリした?」
「めっちゃ驚いたわ。よく見つけたな!」
「まぁね~」
ネットで調べながらコンビニを何軒も回って探したことは内緒だ。雄征が喜んでくれるならこんなことだって全然何てこともない。
「ありがとう、優乃佳」
「どういたしまして」
グミを大いに喜んでくれた雄征は蛇の玩具も丁寧に箱の中に仕舞って、自分の鞄の中へと入れていた。
まずは最初のサプライズドッキリ成功!
その後もお互いの見て周りたいお店を見ていきながら、小さなイタズラのようなドッキリを雄征に繰り返しやってみたけど、どれもとても良い反応をしてくれた。
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