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人が為す物を偽物。と言うだけで本物の価値は著しく、代え難い。あの駿が頬張るおにぎりは本物でしょう。私は惜しくなっていました。「あーっ!おにぎりが食べたしっ!駿が食べて見せてから、勧めなさいっ!おにぎりが食べたしっ!」私は正座の体勢でありながら、分かり難くも駄々を捏ねました。「えっ!要らなかったのではないのですか?おにぎりを握って来ます!」血相を変え、駿はおにぎりを作らんと駆けて行ったが…何だか食べたくなくなって来たなぁ…。「駿には悪いけれど、そろそろ空中浮遊の所為かあまり人を敬えなく為って来ました。」私は自分を見損ない、失意のどん底にいるのです。「パラレルワールドって知ってるか?俺は駿が食べたおにぎりの精。竹山原正明朗(たけやまはらまさあきろう)だ!…です。竹山原正明朗です!!あわわっ…。」何やら巫山戯た百姓がいきなり慌て始めました。私も居たたまれなくなりましたが、足の痛まない空中浮遊正座が宜しくて、どうにもなりませんでした。「あっ!気にせずに…。」私はそれなりに気配りました。「いやっ!!否っ!これはいかん…俺はいかん…。」思い詰める正明朗でしたが、私は何だか彼を気に入りそうで仕方ありませんでした。
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