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よく晴れた日。私は佛に仕える身でありながら、空中浮遊に成功しました。しかし、在らぬ格好故に上空に身在らんば、無様な侭…情けなし。私は情けなさのあまり、涙を一滴(ひとしずく)溢したのです。「うわっ!三郎太さん。どうしたんですか?変な格好して…。」松野駿(まつのしゅん)と言う好青年。決まってプロスポーツチームのユニフォームを普段着にする逸材。中々人当たりもよく、しかし、何故かお腹の虫が鳴き出す始末。何ともならぬものか。「宙に浮いていることと、この辺鄙な格好のことは内緒にしていて下さいな!お腹空くしでっ!!」私の訴えに駿は困り顔でした。「別に面白いから、皆に言っても良いでしょう?」駿はキョトンとしたかと思えば、そそくさと何処かへ行きました。「はっ!お腹が鳴らなくなったや…。」私は何故か安心していました。
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