3.共有する時間

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 ショッピングモールへ着いた僕たちは、最初に言っていた通りまず靴を見に行った。  靴擦れしないように、と履きやすいスニーカーを何足も履かされその中で一番白い物を瑛士が選ぶ。 “また白”  余程僕のことを清いとでも思っているのか、そのカラーチョイスに苦笑した。  その後は瑛士が観たいと言った映画を観る。  よくわからないアクション物で映画の内容には感想が無かったが、大きな音に驚いたりしながら観る瑛士を盗み見るのは楽しいと感じた。 “楽しい? 死神の、僕が?” 「……しろ、ましろ」 「あ、ごめん」 「考え事か? 映画、終わったぞ」 「そうだね」  気付けば映画は終わっており、慌てて席を立とうとした僕に瑛士が手を差し出す。  家を出た時はどこかぎこちなかったのに、自然と彼の手を取った自分に少し驚いた。  その後は色んなお店を覗いたり、水分補給がてらに本屋に併設されたカフェに入る。  特に食べる必要のない体の僕だが、食べられない訳ではないので瑛士の選んでくれたチョコケーキを口にし―― 「美味しい……」 「そうか、それは良かった」  口の中でとろけて広がる甘さに唖然とした。
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