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決意する、や覚悟を決めるというよりも早くただ本能的にそう思った僕は、彼を抱えて翼を広げた。
バサバサと羽ばたき、一気に空へと飛び上がる。
「天使様だ……」
そう誰かが口にしたその言葉に苦笑する。
“違う、僕は天使なんかじゃない”
死者を送る死神だった。
そしてこの後は死神ですらないかもしれない。
――だって僕がこれからしようとしていることは。
「それでもいい」
瑛士に死んで欲しくないから。
そう心の中で強く思った僕は真っ直ぐ瑛士の、瑛士と僕の部屋へと帰ったのだった。
「大丈夫だよ」
ちゅぱちゅぱと意識のない彼の舌と自身の舌を絡めながら言い聞かせるように囁く。
口付けを繰り返したお陰で呼吸が安定してくるが、相変わらず意識は戻りそうになかった。
“こうするしかないよね”
意識のない瑛士の服を脱がせ、下着をずらすと口付けのお陰か少しだけ芯を持っている瑛士のソレが露になった。
“勃たせなきゃ”
ごくりと息を呑み、そっと彼の陰茎を口に含む。
ぴちゃぴちゃと舐めていると、意識がなくても感じはするのか少しずつ固くなり安堵する。
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