2.

1/4
前へ
/8ページ
次へ

2.

「一応言っとくけど、箱は未開封。賞味期限はその日だったからね」 「よく覚えてるね」  ミニブタが笑った。  しかし、ウサギはため息をついた。 「変な夢だよね…。実際にはそんなことしないと思うんだけど…」  ウサギにとって、その夢はちょっとした悪夢だったようだ。  エリザベスパーラーのチョコレートケーキを食べたという割には(夢の中でだが)、ぐったりと肩を落としている。  少しの間、二人とも黙っていたが、今度はミニブタが話し出した。 「ちょっと前なんだけど、ぼくも変な夢見たよ。夢の中で、ぼくは広くてきれいなマンションに住んでた」 「へえ」  ミニブタ曰く、そのマンションは、自分でお金を貯めて買ったものだそうだ。  ところがある日、ミニブタは、自分の部屋に何者かが侵入しているらしいことに気が付いた。 「キッチンを使った形跡とか、何かがちょっと動いてるとか、そういうのがいくつも見つかった」  ウサギが震えた。 「それは怖いよ」 「うん。それで管理会社に急いで連絡して、警察にも通報することになったんだけど…」
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加