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 事件の真相は、すぐに明らかになった。  管理会社の社員と、その知り合いである不動産屋の社員が、共謀してミニブタの部屋をこっそり賃貸に出していたのだ。 「ええっ。犯罪じゃないか!」 「もちろん犯人は警察に捕まった」  事件の発覚後、不動産屋に騙されてミニブタの部屋を借りたという人も、警察からこのことを知らされて、すぐ引っ越していった。  もう一人の被害者であるこの人物が、どのように騙されてミニブタのマンションに住まうことになったのか、ミニブタは最後まで知らされなかった。  また、ミニブタとその人物は、同じ部屋に住んでいたくせに、最後まで一度も顔を合わせなかった。 「生活時間帯が違ったからみたい」  時間帯だけでなく、スペース的にも住み分けができていたようだ。  夢の中のミニブタのマンションは広くて部屋の数も多かったから、その不幸な同居人は、普段ほったらかしにしている狭い物置き部屋で寝起きしていたのだと思われる。  夢とは言え、気の毒な話しだ。
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