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拝啓、この手紙を拾ってくれた親切な方へ。
まず、初めに礼を言わせて下さい。
この手紙を拾ってくださり、ありがとうございます。
この瓶に入った手紙を発見したのは、何処か平穏な浜辺でしょうか。それとも、巡り巡って荒んだ川へと流れ着いていましたか。または、私が予想だにしない事柄に遭って、貴方は今この手紙を読んでいるかもしれません。
いえ、そんな事は私がいくら考えたところで正解に辿り着ける事はないでしょう。とにかく、貴方がこの手紙を手に取って下さって、本当に感謝しているんです。これでやっと、僕の胸の内を知る方が見つかったのですから。
元々手紙を書く事が苦手な身なため、読みにくいところもあると思います。推敲等せず、書き殴るような文体で書いているので、当たり前と言ってしまえばそれまでです。
また、見えにくい文字ですし、拙い言葉遣いですし、ダラダラと汚い文が続くため、読む事を辞めようとしている最中なのかもしれません。
ですが、お願いします。この胸の内を、誰かに打ち明けたかったのです。天地がひっくり返ったとて、叶うことのない、無謀な助けを誰かに聞いて欲しかったのです。
こんなエゴに塗れたモノをぶつけるのは、少々心苦しいという気持ちは、正直あります。ですが、お願いです。一生のお願いです。
この汚く、醜悪な手紙を、どうか最後の文を読むまで、見放さないで下さい。
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