1.余裕ぶっていた

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 まるで見つめる相手を溶かすほどの甘い視線を向けられたと思ったら、あっという間に彼の唇が私の唇に重なる。  ビクリと強張った私だったが、彼が私の頬に右手の親指と人差し指で力を込めて無理やり口を開かされ、すぐに熱い舌が口内に侵入した。 「んっ、んんっ」  くちゅくちゅと音を立てながら口内を蹂躙される。  彼の舌が私の歯列をなぞり、舌を絡ませ、トロりと唾液が注がれた。  顎を押さえ上を向かされたせいで喉奥に流れ、そのままコクンと飲まされる。 「美味しい? もっと飲みたいよねぇ」 「ん、ぁ……!」  見せつけながら舌で掬うように唾液を溜め、流されると押さえつけられているせいでピクリとも動けない私は飲む以外の選択肢はなかった。  コクンと喉が動き嚥下したことを見たシル様の瞳が三日月型に歪む。 「可愛いな、マリアナは」  さっきとは違う角度で口付けられ、今度は舌をちぅぅと吸われると、口内を蠢く舌があまりにも熱く、段々と彼とのキスに思考を奪われ私の体から力が抜けた。   「ひゃ!」 「早く触りたかったんだ、もちろん他の誰も触れてないよね?」
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