想いをメロディーに乗せて

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私の妹には障害がある。 この世に誕生した際に、脳の一部を損傷してしまったらしい。 母親の胎内から顔を出した時、私と違い早く生まれたせいで、呼吸ができなくなり、心臓が止まってしまったのだ。 たった、たったの数秒間なのに……言語野の一部と運動野の一部をやられてしまったらしい。 早産というたったそれだけで、妹は普通の人と違うというレッテル貼られることとなった。 皆が首が据わり始めた頃、彼女はようやく呼吸器を外すことが許された。 皆が座れるようなった頃、彼女は指を咥えることを覚えた。 皆がハイハイを始めた頃、彼女は寝返りを始めた。 でも、うつぶせになると、上手く自分で戻れないみたい。 息ができなくなるから、いつもお母さんや私が彼女を助けないといけない。 父と母が私と妹を残し病院へ行った、何かの結果を聞きに行くらしいんだけど、何を聞きに行くのかな? ……泣いて帰って来た。 妹の身体の問題は、現代の医学では治せないんだって。 同じ人間なのに、普通じゃ無いんだって。 脳細胞は一度死滅すると、そこから細胞分裂して修復というは事が出来ないみたい。細胞……ってなに? その時の私には話が難し過ぎて分からなかった。 治す事ができない怪我よと、母は言った。 怪我なら、転んで腕を擦りむいた時と同じで、日が経てば自然と治癒するものじゃないの? 違うの?
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