想いをメロディーに乗せて

皆が幼稚園に通う頃、彼女は立つ練習を始めた。
あれ？　ハイハイはと思ったけど、ハイハイをしなくても立つことはできるんだってさ。

そう言うものなんだ。

皆が小学校へ通う頃、彼女は支えながら数歩だけ歩く事ができるようになった。でも、お出掛けする時は車椅子が必須になる。

ベビーカーから車椅子になっただけ、彼女は進歩したんだろうね。
でも相変わらず自分でお手洗いには行けないの、未だオムツしてるし。

皆が小学高学年になった頃、彼女は支えなしで、自分の足で数メートルだけ歩けるようになった。

マジって思った。

障害がありながらさ、少しずつだけど自分で動けるようになったんだよ。

マジ凄くないっ！？

ようやくさ、あの子にとってお家が狭くなったんだよ。

最近良く外へ出たがるんだけど。

ちょっとそれは勘弁……。
一緒に歩くのは正直恥ずい。

まあ自分の力で鍵は開けれないから、良いんだけど。

最近は諦めてタブレットを見ている。

可哀想だから初バイトの給料で買ってあげた。
キッズアプリや音楽も入れてあげたら、毎日それ聞いてる。

身体は大きくなっても、ずっと子供のままみたい。

ていうか、そう言えばアイツまだ一度も言葉喋っていないじゃん。

あ～～とか、
う～～とか、

そればっか。

時たま分けの分からない言葉を発してる。
突然発狂したように大きな声を出すので、びっくりするし。

受験勉強の邪魔なんだけど。

何なのアレって母に聞いたら、宇宙語らしい。
宇宙語？　はっ、意味分かんないんだけど。

地球人じゃないの、うちの妹？