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プロローグ 始まり白いドレスに包まれて
白いドレスに包まれた美郷はここにいた。ドレッサーの前に座っている。俯いた姿に心を鷲掴みにされた気分になった。目が離せないでいる拓斗。われに返る。
「用意できたのか? 美郷……今日の美郷は本当に綺麗だよ……」
「へへへ……ありがとう。拓ちゃん。でも何? 今日だけ?」
痛いところを突いて来る。
「そんなことないさ。いつもだよ」
頭を掻く拓斗。
「冗談よ……」
美郷はまたへへへと笑った。
「お時間になりました」
二人の時間を邪魔するようにロイヤルスターガーデンホテルのスタッフが呼びにくる。
「行こうか?」
拓斗は美郷の手を取り立ち上がらせた。
「うん。みんなが待ってるね」
立ち上がり陽射しが入る窓から美郷は照らされた。白いドレスがやけに眩しく映る。
──本当に綺麗だよ。美郷──
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