プロローグ

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プロローグ

シロツメクサの花言葉のひとつが「約束」だと知ったのは、ずっと後のことだ。 その頃の幼かった私も、その男の子も、花言葉を知らなかった。 その時交わしたままごとのような約束。 あれから何年もたった今。 彼にとってそれはもう、思い出の一つでしかないはずだ。いや、それどころか、覚えてもいないだろう。 ーーはにかむような彼の笑顔の中に、私はあの頃の面影とあの頃抱いた温かい気持ちを探す。
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